GOCHAMAZE timez(ごちゃまぜタイムズ)
いわきから「ごちゃまぜ」 あらゆる障害のない社会へ

私たちが掲げる「ごちゃまぜ」という概念。

なんとなく分かるようで、でも、まだまだ具体的なイメージがつかみにくい言葉かもしれません。ごちゃまぜタイムスにも通底するこの「ごちゃまぜ」という言葉。私たちはこの言葉にこんなイメージを持たせています、ということを皆さんにお伝えするために、少し記事の形でご紹介いたします。ぜひ最後までご覧下さい。

 

−社会はごちゃまぜである

ごちゃまぜ。色々な要素が、文字どおり「ごちゃまぜ」になって存在すること。私たちはこの言葉に「社会はこうあってほしい」という理想のイメージを持たせました。そもそも私たちの社会は、考え方も価値観もバラバラな、それぞれ固有の人たちで形づくられています。国籍、宗教、障害の有無や性的志向、ライフスタイルに至るまで、社会とは、そもそも「ごちゃまぜ」の人たちで形づくられているはずです。

様々な違いが尊重され、バラバラの人たちがごちゃまぜに存在し、まるでモザイク画のように美しい作品を形づくっている。遠くから見れば1枚の絵に見えるけれど、近づいてみると、それらは、すべて異なる色の、小さなピースで形成されている。社会とは、そもそもそのようなものではないでしょうか。

しかし、私たちの暮らし、社会を見渡してみると、生きにくさを抱えている人たちの方が、その生きにくさを隠し、個性を押しとどめ、多数の人たちに合わせて生活することを余儀なくされています。「個性」が叫ばれる時代なのに、なんとなく「同じ」であることが求められ、本来はごちゃまぜであるべき個性を表現する場は、社会のなかから奪われてしまっているように感じることも少なくありません。

 

−ごちゃまぜの「疲れ」

昨今、社会のダイバーシティへの理解が進み、様々な生きにくさを抱える人たちが勇気を持って社会に訴えかけ、違いを受け止めようという文化が育ってきました。「社会的包摂」という言葉を見ても分かるように、「ごちゃまぜ」を受け止めようという潮流は、年々大きなものになってきています。しかし、そうした動きは、多様性を受け入れることへの「疲れ」のようなものも生んでいるように感じます。

なぜそのような状況になってしまうのだろう。私たちは、その原因を「教育」に見ています。例えば日本では、小学校に入った途端、障害の有無によって教育の環境を切り分けられてしまいます。障害のある子どもたちは、いくら普通の学校で学びたいと思っても、養護学校や聾学校などに進学せざるを得ません。選択肢は刈り取られ、本人の望む暮らし方や生き方が実現できないだけでなく、障害のない子どもたちは、障害とはどのようなものなのか、どうすれば共生できるのかを知らずに育っていきます。

先ほど、社会のダイバーシティが進んできたと書きました。だからこそ、そこでハレーションが起きてしまうのです。大多数の子どもたちが障害を知らずに育つのに、社会に出た途端、突然「ダイバーシティ」に晒されてしまうわけですから。その人の価値観を形成する大事な時期に、障害の有無によって異なる環境を与えられてしまう。そんな「分離教育」にも、社会のごちゃまぜを阻む要因があるのではないでしょうか。

社会はそもそもごちゃまでです。一見すると考えが同じような人でも、そこには無数のグラデーションがあります。賛成/反対と簡単に切り分けられない無数の回答が、社会には存在しています。だからこそ、もう一度、社会とは、人とは、そもそもが異なる存在であり、それがごちゃまぜにあるということを、子供も大人も関係なく体験できる場所を作らなければならないのではないか。

 

−社会のごちゃまぜを伝える

ごちゃまぜとは、理想とする社会のイメージのようなものでありながら、そもそもそうなのですが、理想ではなく「リアリズム」だと言うこともできます。実際そうなのですから、ごちゃまぜとは、あるがままのあなたや、あるがままの違いや、あるがままの社会を受け止める「姿勢」と言うこともできるかもしれません。

自分とは違う存在、自分の外にある存在、一見すると別世界の存在。そのような存在をあえて楽しみながら自分の中に取り入れてみる。すると、自分も、誰かも、社会も、これまでとは違った存在として立ち上がってきます。そのような「ごちゃまぜの見え方」は、私たちの暮らしを、社会を、もっと豊かにしてくれると思うのです。

だからこそ私たちは、ごちゃまぜを受け入れる「態度」を、このメディアで示していきたいと考えています。この「ごちゃまぜ」を体現する人たち、活動、アクションを紹介するとともに、どうすれば社会のごちゃまぜの豊かさを届けられるのか。現場の人たちと一緒に、みなさんと一緒に考えていきたい。

社会はごちゃまぜである。こんな当たり前のことを当たり前にするために。ごちゃまぜタイムスは、世の中の「ごちゃまぜ」を伝えていきます。

GochamazeTimesCompany

全国各地にライターやプロボノを抱える編集社。タブロイド紙|GOCHAMAZE timesの季刊発行、および、地域の方々と共創するごちゃまぜイベントの定期開催により、地域社会の障害への理解・啓発|年齢・性別・国籍・障害有無に限らず多様な”ごちゃまぜの世界観”をデザインし続けている。

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