スポーツからいわきを「ごちゃまぜ」に
わたしたちの考える「ごちゃまぜの価値観」を、1人でも多くの人たちに伝えたい。そんな思いで開催しているソーシャルスクエアの「ごちゃまぜイベント」。多様な人たちが、ごちゃまぜに「楽しい」や「面白い」を共有できるにはどうしたらいいか、みんなで考えたすえに出てきたのがスポーツでした。9月に行われた「ごちゃまぜスポーツ」の模様を振り返っていきます。
いわき市下高久に、今年4月にオープンした新舞子ヴィレッジ。日本サッカー協会が東日本大震災の復興支援の一貫として整備したもので、人工芝のグラウンドが美しい多目的運動場です。野球場やサッカー場がなどが併設されており、「この芝の上でみんなで遊んだら気持ちがいいだろうな」そんな単純な思いからプロジェクトがスタートしました。
いわき市役所のスポーツ振興課の皆さん、そして新舞子ヴィレッジのコーチの皆さんの協力もあり、9月19日、その新舞子ヴィレッジで「ごちゃまぜスポーツ」を開催することができました。天気はあいにくの雨模様。体育館での開催となりましたが、やはり芝の雰囲気を味わいたいと言うことで、まずは芝のうえで記念撮影。プロ仕様の芝の感触を味わってから、ごちゃまぜスポーツのプログラムに入っていきました。
美しい芝のうえで記念撮影。本当はここでイベントをするはずでしたが泣く泣く体育館へ。
コーチを担当して頂いたスタッフの皆さん。コーチの経験豊富な皆さんにサポートして頂きました。
コーチをして頂いたのは、Jヴィレッジの現役のスタッフの皆さん。コーチングの経験が豊富な方たちなので、準備体操から違うんです。遊びを取り入れつつ運動していくため、いつの間にか参加者の心の壁が取り払われ、一体感のある雰囲気が生まれていきます。また、専門的な知識に裏付けされたトレーニングなので、しっかりと身体が温まっていきます。
その後、ストレッチやボールを使ったゲームなどを行い、普段使わない筋肉や関節などをほぐしつつ、少しずつ負荷を高めた運動へと移っていくのですが、そこでも、みんなで手を繋ぎ合ったり、身体を触れ合ったりする運動が入って来るので、自然といろいろな輪が生まれていきました。楽しんでいるうちに、自然と輪が広がっていく感じ。さすがはプロのコーチだと感嘆してしまいました。
午前中の2時間ほどの運動。皆さん爽やかな汗を感じながら、スポーツの楽しさ、身体を動かすことの気持ちよさを感じて頂けたようです。何より自然な形で交流が生まれ、その交流を通じて場の一体感が生まれていく。これはスポーツならではのものではないでしょうか。最終的には70人ほどの参加者が一緒になって身体を動かして頂きましたが、まさにスポーツの力です。
まずはストレッチで身体をゆっくりほぐしていきます。
ストレッチの後は、バランス運動を兼ねた「身体でじゃんけん」。大盛り上がりでした!
コーチから的確な指示が飛ぶので、体操も運動もテキパキと進みます。一般人ではこうはいきません。
運動やゲームを通じて、色々な人が手を繋ぎ合います。これが一体感を醸成してくれるんです。
時間が経過すると、親が介在しなくても子どもたち同士で交流が生まれていきます。
後半はボールを使ったゲーム。みんなで呼吸を合わせないとうまくいかない。「合理的配慮」の原型がありました。
子どもたちは、「違い」をさほど気に留めることなく、お互いに交流を図っていきます。
午前中を終える頃には、隣り合った人たちがみんな友だちになっていました。
この日は、市内の養護学校などに通う子どもたちも一緒に参加していましたが、さすがは子どもたち。障がいの有無に関係なく、自ら進んで手を取り合い、一緒に身体を動かしていました。私たち大人は「障がい」という言葉や、小さな違いに目をとられがちですが、子どもたちはまったく関係なく、1人の「ともだち」として接しているんですね。
そして、改めて感じたのが、スポーツの力です。身体を動かすことの「楽しさ」を「みんなで」で共有できる。しかもその共有の仕方が、手を繋いだり、身体をぶつけあったりという「フィジカル」なコンタクトなのが良いのかもしれません。わたしたちが伝えていきたい「ごちゃまぜ」の価値観を、自然、そして楽しみながら感じてもらえたのではないかと思います。
2020年には、東京オリンピック・パラリンピックも開かれます。いわきも、もしかしたら様々なトレーニングや交流の場になるのかもしれません。そのときに、海外から来る人たちをもてなすのも私たちの役割。スポーツの力を借りながら、もちろん他のいろいろな企画も模索しながら、いわきに「ごちゃまぜ」という多様性ある価値観を、伝えていければと思っています。
今後の「ごちゃまぜイベント」にも、ぜひご注目下さい。
GochamazeTimesCompany
全国各地にライターやプロボノを抱える編集社。タブロイド紙|GOCHAMAZE timesの季刊発行、および、地域の方々と共創するごちゃまぜイベントの定期開催により、地域社会の障害への理解・啓発|年齢・性別・国籍・障害有無に限らず多様な”ごちゃまぜの世界観”をデザインし続けている。
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